遺書~私、消えないように~
自分の部屋に入った私は財布とケータイをもって家を出た。
私は別に行く場所なんてない。

とりあえず近くに住んでる従弟の家にでも行くか、そう思って私は歩き出した。
エレベーターなんて使うのはめんどくさかったから階段を駆け降りた。







* * *


道路を挟んでマンションの向かいにあるちっさな一軒家に従兄の聖也がいる。


聖也は今大学2年。一人暮らしをしているらしく、よく「カノジョねぇーから暇。邪魔しにこい、チビ共。」とか何とか言ってくる。

アイツの家なんて両親が家を荒らしてるときしか行ってない。
というよりも行きたくもない。


行ったらいったで散らかりすぎた部屋の掃除を頼まれるから。



自分で出来ねぇーのかよクソとか何とか思いながらも聖也の家についてしまった・・・。

玄関に近づくと私は
「勝手に入るね」とだけ言って鍵もかかってない玄関を開けた。

返事がないからいま聖也は、出掛けているのかと思った。



靴を脱いで辺りを見回していると、すぐ目に付いたやつがあった。

「はぁ、・・・何こんなトコで寝てんのよ・・・・」


真っ黒い猫を抱えながら座って寝てる聖也の姿。
黒猫は本当に全身真っ黒で赤がよく、栄えそうだった。


聖也は口悪いけど顔はイイからもてるのにな~もったいない

「俺に惚れたかい嬢ちゃん」



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