サプライズで彼女の家に行ったら知らない男とキスしてた
なぜかここでベルを鳴らすことはためらわれた。
なるべく音を立てないようにして、新聞受けのカバーをそっと開ける。
のぞきこむと、視界は狭いが、そこから室内が見えた。
ドアを隔ててすぐ向こうに、あかねのものらしき華奢な足。
そして、もう一人。
革靴とジーンズ姿の、男。
話し声は何も聞こえない。嫌な沈黙。
何かの、間違いだよな?
ただそれだけを切に願って、俺は無意識に扉のノブを握っていた。
カギは、開いていた。