サプライズで彼女の家に行ったら知らない男とキスしてた
とりあえず、あかねの部屋に入って4人で話すことになった。
俺からは目をそらしつつ、あかねは
「お茶……いれるね」
と言うと、崎山に
「いいから座って」
とピシャリと制止されてた。
んで、俺はというと、この後に及んでも何も言えなかった。
男は、俺よりもかっこよくて背が高かった。
男も何も言わず、気まずそうに視線を逸らしている。
あの、どこの人ですか?と俺が言おうとするよりも先に崎山が
「川越さんも、何やってるんですか。婚約者いますよね?」
崎山が言って、しばらく考えて、思い出した。
崎山とあかねが働いてるケーキ屋の社員さんだった。
あかねが、目じりにぽろぽろと涙をためて泣きじゃくり始める・
「ごめん……ごめんね、比呂子……」
「わたしに謝ってどうすんの!?木下に謝りなさいよ!!」
「木下くん……本当にすまない。俺が悪いんだ、俺が誘ったんだ」
俺、放心してて、他人事みたいな気持ちで眺めてた。
なんで、俺に謝んないの?
なんで、お前があかねをかばうの?
ここまで来て初めて、「ああ、俺浮気されたんだなあ」って思った。
夢だと思った。
でもやっぱり夢じゃなかった。
なんで?