現代アリス∞
やがて私とヒカルは栄特高校の東側にある校門の前へと辿り着く。
昼間と違って夜の学校は気色が悪い
いつか見たジュエリーショップの暗闇とはまた違った気色悪さがある。
多分これは学校独特の雰囲気が私に見せる幻想
少し躊躇する私を尻目にヒカルはひょいと身軽に校門を越えて見事校内へと侵入する。
私も、よしと生き込んで校門に飛びついてみたものの見事に撃沈。
身長が足りない・・・
もう一度と今度は門のすぐ前まで行ってジャンプする。
・・・やっぱり届かない・・・
見かねたヒカルがもう一度門の上に登って私の手を引いてくれた。

「ありがと」

ヒカルのおかげでなんとか校内に侵入する事が出来た私。
ふぅと額の汗をぬぐい息を吐く

「大丈夫?」

ヒカルは心配そうに私の顔を覗き込む
私はヒカルに大丈夫と笑って見せた

そして再び私はヒカルの手を握り先へ進んだ。



外からみた学校も不気味だが中はもっと不気味
学校の南側にある旧校舎へは一度本館の後ろにある中庭を通って行かなければならない。
私とヒカルは校庭の真ん中を足早に歩き本館へと向かう。


暗いよ
お化けとか出そうだよ

すでに私の心臓は恐怖で高鳴り限界に近い
でも、ヒカルがいるそばでそんな素振りは見せられない
少しづつ青ざめていく


それでもヒカルはどんどん進んでいく

来なければ良かったかな
でも一人はいやだしな


一人でそんな事を考えていると
ついに私達は本館の前へと到着する
ヒカルがどこか中へ入るための入り口がないかと探るがすべての扉が閉ざされている。

この分じゃ到底旧校舎へと辿り着く事など出来ないだろう
ほっとした反面なにやら自分の中で複雑な思いが交差する。

気づけばまた私は逃げ出す事ばかり考えて


これじゃあ駄目だ
変わらなきゃ!


気がつけば私はヒカルの手を引き走っていた

「ど、どこに行くんだよ!?」

突発な私の行動にヒカルはただ驚く

高校に入学して間もない頃チナツ達とよく肝試しとかいってこっそり学校に侵入したもんだ。
チナツは私が怖いの苦手なの知っていながらそう言うのにいつも私誘って来て、それでもっていっつも私の手を引き前を進んでくれた。
< 10 / 21 >

この作品をシェア

pagetop