現代アリス∞
せめてうちのバスケ部に朝練でもあればこんな暇な思いしなくて良いのに。
うちの学校バスケ弱いから部員も顧問もやる気が無い。
こんなことぶつぶつ言ってても仕方ないか・・・

私は大きな横掛けにしている鞄を背中に回し軽く走った。

「きもちいーっ!」

中学生の頃は陸上部だった私。
何故か今いる高校には陸上部は無い
パンフレットにはあるって書いてたのにいざ入学してみると2年前に廃部になったと先生は言っていた。
騙された・・・
仕方なく少し興味のあったバスケットボール部に入部してみたけど部員の殆どがやる気無し。
しかも顧問はバスケ初心者で部員に教える事すらままならない。
正直近いうち退部するつもりでいる。
こんな部にいるよりバイトに入る時間を増やしてもっとお金を貯めよう。
その方が今よりきっと時間を有効活用出来ている。

一通り走って近くの公園に入り自販でジュースを買った
もう7時だ・・・結構走ったな
そろそろ学校に向かえば丁度いい時間に到着するだろうと思いジュースを一気飲みして空き缶をゴミ箱に投げ入れた。
私はベンチから立ち上がり右足を前に出しかけた
すると背後に人の気配を感じる

「!?」

後ろをふり向く前に目を覆われ私は凝固した。
でも・・・何故か恐怖感は無い

「さぁ、誰でしょう?」

背後から聞こえる声のは淡々とした口調で私に問いかける。
この声は

「ヒカル?」
「大当たり」

ずばり言い当てるとヒカルは手を離し私を解放した。

「こんな所で会うなんて偶然だな」

ほんとそうだ
こんな時間にこの人は何をしているのだろう?

「何って学校に行くんだよ」

私ははっとしてうつむく。
そうだ・・・この人は人の心の中が読めるんだ
面倒くさいな。
また私の心を読んだのかヒカルは不機嫌な顔をする。

「仕方ないだろ、悪気があっていちいち人の心ん中覗くわけじゃねーんだから」

お互い一瞬見つめ合って苦笑いした

「途中まで一緒に行こうか」
「そうだな」

学校までの道のりで私とヒカルは色々な事を話した。
ヒカルの通っている学校は私の通っている『栄徳高校』の近くにある『風鈴学園』と言う男子校だそうだ。


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