さみしいよダーリン★
「お呼びですか?社長。」



長い黒髪を揺らしながら彼女は入ってきた。




「あぁ、おはようございます。手短に済ませたいから早速本題に入ります。辰美さん・・・昨日僕の彼女の家に行ったでしょう?」


「・・・・・・何のことでしょう?」



やっぱり簡単にはいかないか・・・



「昨日、君が家に来たと、僕の彼女が言っているんだ。」


「いいえ。私は社長に彼女さんがいたことも知りませんでしたし、ましてや家なんて・・・」


「でも、彼女が言ってるんだよね。」


「失礼ですが、彼女さんの方が間違えられているのでは?」


「いいや、僕の彼女は間違っていない。」



毅然として平然を装っているが内心は苛立ち始めていた。



こんなところで、歌乃との仲をこんな女に壊されるわけにはいかないんだ!!



「ですが、私は行ってはいません。それにあたしにはあの時刻、友人と食事をしていたというアリバイがあります。」




ん?




「何時頃だ?」


「確か、夜の8時頃だったと・・・」



そこまで言って、俺は思った。



「どうして時間を知っているんですか?」


「え?社長が・・・」


「いや、僕は昨日と言っただけで、時間なんて言っていませんよ。」



彼女は急に、動揺し始めた。



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