さみしいよダーリン★

丁度、個人のお客様を案内してフロントに戻ってくると、大型のバスがホテル前に止まった。



団体のお客様だ。



｢水野さん、矢野川さん行くよ。｣


｢は、はい。｣



団体のお客様の時ほど、神経を使う時はない。



団体のお客様のお荷物をドアマンから引き継ぎ、急いで、チェックインしたお客様のお部屋まで運ばなければいけないからだ。



それは、お客様がホテルを出る際もそうなのだけれど、一つでも間違えたらホテルの信用に傷をつけることになる。



でもだからこそ、無事にやり終えた後はホッとするし、達成感がある。



それが良くて、あたしはこの仕事が好きなんだ！




だから、いつもはバリバリ仕事をこなしているつもり。


でも今日はどうも体調がすぐれない･････




なぁんか熱っぽいんだよね。




｢大丈夫？歌乃。｣


｢うん･･･でも何か、体が重くて。｣



お客様全員をお部屋に案内した後、妃和に言われた。



｢疲れたんじゃない？もうすぐ次の人来るから、それまで頑張ろう！｣


｢うん。ありがと。｣



交代の時間まであと30分。それまで頑張れあたし！！