さみしいよダーリン★
「「え?」」



二人して、声をそろえて体を前に乗り出した。



「していませんよ。普通の風邪の症状ですね。矢野川さんはもともと生理不順のようですし。」



40〜50代の優しい笑顔が特徴の先生は言った。



「赤ちゃんは、まだあなたのところに来るのは早いと思ったのよ。」


「え?」


「あなた達、まだ結婚していないんでしょう?」


「え、どうして・・・?」



先生は笑って、私の手を取った。



「旦那さんはともかく、指輪をしないの奥さんは、あまりいないわ。それに、顔つきがやっぱり違うのよね。」


「顔つき・・・」


「とっても、不安だったんじゃない?今の時代は、出来てから結婚するのも珍しくはないけど、やっぱり奥さんは最初はとても不安そうな顔をするのよ。」




それを聞いたら、フッとさっきまでの色んな気持ちが解けて、ホロッと涙が出た。



そんなあたしを、澄人は肩を抱き寄せ、抱きしめてくれた。





────────────・・・


それからすぐ家に帰り、リビングで二人黙っていた。



先に沈黙を破ったのはあたしだった。



「あのね、澄人。」


「なんだ?」


「あたしね、澄人との赤ちゃんが嫌で、泣いた訳でも不安になった訳でも、焦った訳でもないの。」


「うん。」


「あたし、その・・・」



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