天使の梯子~キミとボクの未来~
すると

2人の顔が、みるみるうちにグチャグチャになり


大粒の涙が溢れてきた。


迎えに来る子供と
来てもらえない子供。


現実は、時々、子供達に意地悪で


いつの間にか、我慢強くなった2人の小さな背中を

ただ、さすりながら



遠くの空に浮かぶ



飛行機雲を眺めていた。




「帰ったら、なにしようか?」


「おえかきがしたい」

「わたしも、おえかきがしたい」


「お絵かきな、分かった。じゃあ、画用紙たくさん、くっつけて、凄く大きな絵を描こうか?」


「ほんとう?」


「うん!ほんとう」



「じゃあ、かえろう。おにいちゃん」



「そうだな、帰ろうか。」


「うん」




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