小悪魔†彼氏



ちなみに部員は私を含め、3人。


3年と、私と、1年。


少なすぎる・・・。


しかもみんな静かめな子。


話が盛り上がらない・・・。



「福原さん」


「はい?何ですか部長?」



部長は3年の都筑瑛那{ツヅキエイナ}先輩。


大和撫子っていう言葉の似合う、和風美人。


髪の毛も黒くて長くてさらさらで、人形みたい。


お家が華道の家元で、腕前もすごい、尊敬している先輩。



「1年の橘さんと付き合ってるんですってね?」


「あ・・・知ってたんですか?」


「ええ。もうすぐ6時ですから、早めに行って待っててあげなさい?」


「い・・・いいんですか・・??」


「時間より早く行って待つのは女性の常識ですわ。お疲れ様」


「はいッ!!!」



部長が優しい人で良かった。


私は荷物を持って、正門まで走った。


まだ来てない・・・。


腕時計を見ると、5時50分。


もう少しで・・・



【帰り、覚悟しておいてね】



カァッ・・・


思い出したら顔が赤くなった。


覚悟って・・・どうしよう・・・。





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