小悪魔†彼氏




「早く逃げよ?バレちゃうから」


「う・・・うんッ・・・」



橘君は半泣きの私をおぶってくれた。


いつもより大きく感じる、彼の背中。


そのまま小走りで昇降口まで向かい、おんぶされたまま、校門まで走ってくれた。



「お・・・ろして・・・」


「あ、ごめん。先輩」



あ・・・『先輩』に戻った。


ん・・・・・?


何で悲しいの・・・私。


そっか・・・


もう、本当に橘君のことが好きなんだ。


今の私の頭の中には「レッド」がいない。


いないっていうか・・・「橘君」が「レッド」みたいな・・・。


意味分かんないですね、はい(笑)



「先輩・・・今、悲しいでしょ」


「!??」


「本当は僕とずっと一緒にいたいんだ?」



本当に、心を見透かされている。


そんなに分かりやすいかな、私・・・。





「いたいよ・・・・?」






ん?









< 43 / 74 >

この作品をシェア

pagetop