小悪魔†彼氏
「早く逃げよ?バレちゃうから」
「う・・・うんッ・・・」
橘君は半泣きの私をおぶってくれた。
いつもより大きく感じる、彼の背中。
そのまま小走りで昇降口まで向かい、おんぶされたまま、校門まで走ってくれた。
「お・・・ろして・・・」
「あ、ごめん。先輩」
あ・・・『先輩』に戻った。
ん・・・・・?
何で悲しいの・・・私。
そっか・・・
もう、本当に橘君のことが好きなんだ。
今の私の頭の中には「レッド」がいない。
いないっていうか・・・「橘君」が「レッド」みたいな・・・。
意味分かんないですね、はい(笑)
「先輩・・・今、悲しいでしょ」
「!??」
「本当は僕とずっと一緒にいたいんだ?」
本当に、心を見透かされている。
そんなに分かりやすいかな、私・・・。
「いたいよ・・・・?」
ん?