小悪魔†彼氏
そして私の家の前まで本当に来てくれた。
「先輩!明日、朝も迎えに来ていいですか!」
「あ・・・いいの?」
「はい!」
「いいよ♪あたし寝坊魔だけど・・・」
「起こしに行きます。こんな風に」
その瞬間、何が起こったか分からなかった。
ただ、私は強い力に引っ張られ、体が前に傾いて。
唇に、ほんのり優しい感触があって・・・。
今の・・・・何?
「先輩って、鈍感?じゃ、さよなら♪」
橘君は、私たちが歩って来た道を戻ろうとした。
「あれ?橘君はD町じゃないの!?」
「僕ですか?A市ですよ」
「A市!?反対方向じゃ・・・」
「そうしないと、先輩家まで送らせてくれないでしょ?」
少しだけ舌を出して、いたずらっ子みたいな彼の顔。
何でこんなにドキドキしてんの・・・?
橘君と・・・レッドが・・・同じくらいカッコイイよ・・・?
橘君が見えなくなるまで、私は家に入らなかった。