学園恋愛ネット掲示板【キューピッド】〜女子校のススメ〜
遡ること約3ヶ月ほど前のこと、それはそれは、突然だった。
「わ……よう」
「……ごめん、もう一回言って?」
喫茶店のガラス窓を叩きつけるような激しい雨粒。
ピカッと光っては数秒後に威勢のいい雷の音が鳴り響く。
目の前に座る彼の言葉に集中するけど聞こえにくい。
「別れよう」
言葉の意味を理解した瞬間、今までうるさかった雨の音も、雷の音も静まった気がした。
ブラックのコーヒーを静かに飲む彼。
別れを告げられたはずなのに、そんな仕草に不覚にもトキめいてる私って……。
私には飲めないコーヒーを簡単に飲んでしまう彼は大人だ。
実際、彼は大学生で、デートではいつもお金を払ってくれる。
そんな彼に似合うようにって無理して背伸びして、大人っぽい格好をするようになったし。
子供扱いされたくなくて、オレンジジュースが飲みたくても紅茶にしたし、努力だって一杯した。
それなのに、私の何が気に入らないっていうの?
私、充分頑張ってるじゃない。
カレのために、必死に自分を隠して頑張ってるじゃない。
泣いちゃいそう。
でも、泣いちゃダメだ。
そんなの子供っぽい。
震える唇を隠したくてギュッと噛み締めた。