学園恋愛ネット掲示板【キューピッド】〜女子校のススメ〜
「だって本当に初対面だから。俺、待ち合わせしてんだわ。今は君の話聞いてあげらんない、ゴメンね」
金髪でも、眉が細くなってても、ピアスを何個つけたって彼は彼だ。
笑いかけられたら、心が反応する。
「……あなたが誰と会おうが私には関係ないことだもんね。私もゴメンなさい。もう見かけても話しかけないから」
きっと新しい彼女と待ち合わせなんだろうな。
だから初対面の振りしてるんだ。
私は未だに彼のことを引きずってんのにな……。
その場から離れようとしたとき、手首を掴まれた。
「いたっ!!」
振り返ると呆れたように溜息を吐く彼の顔が近くにあった。
「だから、何を勘違いしてるのかわかんないけど、俺は君の知ってる奴じゃない。
俺の名前は凌。男子校に通ってる。17歳、高2。親父は中学教師、母親は主婦。弟が1人。
どう?俺は君の知ってる奴?」
……。
「知ってる」
だって、凌は……。
「俺はしらねぇんだけどなぁ」
凌が頭を乱暴に掻く。