学園恋愛ネット掲示板【キューピッド】〜女子校のススメ〜
「だって、……私、莉緒だから」
「え?」
一瞬目を見開いた凌は、瞬きを数回繰り返すと「え〜〜〜〜!!!!!!」と大きな声を出して指差した。
「莉緒?キューピッドの莉緒?」
「うん……」
「ってことは、え?俺のこと知ってたの?」
「え゛??」
まさか彼氏と見間違えてましたとはいえない。
いや、彼と別れたこと知ってるんだから言ってもいいのか?
「実は……その、元彼に外見がそっくりなんだ、凌は。で、本当に勘違いしてたんだけど、さっき名前聞いて凌だってわかって」
「あ〜、莉緒の元彼に、ねぇ」
「……うん。元彼に」
「……そう」
「うん……」
……気まずい!!!!
激しく気まずい!!
やっぱり言うんじゃなかったかも。
凌は、別れてから友達に勧められるままにキューピッドを利用して、別れた彼の思い出を話したメル友だ。
何度も何度も思い出を思い出しては涙して、心寂しいときに凌と電話して安心感を得たこともある。
その凌と今日会う約束もしたけれど、まさか彼とそっくりな顔立ちだったなんて聞いてないよ。
「さっ、今日はどこ行こうか。莉緒」
凌はニカッと豪快に笑うとスタスタと歩いていってしまった。
私は、はぐれないように小走りになって凌の後姿を追いかけた。