学園恋愛ネット掲示板【キューピッド】〜女子校のススメ〜
「あ〜……、確かに髪は染めちゃダメなんだけど……」
凌は地下鉄のなんの面白みもない外の景色を見た。
「どうしても、この色がいいから」
ジャラ……
右手のアクセサリーをまた音を鳴らして髪の毛をいじる凌。
「でも、先生とか注意されるでしょ?」
特に、そんなに目立つ色なら。
「最近はもうあんまり。
最初の頃はしょっちゅう言われてたんだけど、ハーフなんですとか、
勝手に染まってましたとか何回も言い訳してたら、そんなに言われなくなったなぁ」
……諦められたんだよ、それ。
「でも、俺、この色好きなんだよね。目立つでしょ?」
「かなり」
そう返事をすると凌は嬉しそうに目を細めた。
「実はそれが狙い。遠くにいても俺はここにいるって気付かれたくてこんな色にしてんの」
凌は左手を私の頭に乗せた。
それはそれは慣れたようにすごく自然に。
ドキッとするのと同時にズキズキと胸が痛む。
どうせ、他の女の子にも同じ事してるんでしょって思っただけなのに。