学園恋愛ネット掲示板【キューピッド】〜女子校のススメ〜
「莉緒は?なんでこんなところにいるの?」
私は……
「色々あって……」
「男?」
「へ??えっと、その……」
なんて言えばいいのか分からず、視線を逸らすと、ふっと彼が笑った気配がした。
「困ってる」
「え??」
「知ってる?莉緒は、困ってるとすぐ目線が下にいくんだよ」
そうなの?
そんな小さなことに気付いてくれてたの?
「紅茶飲む時だって、新しい服買う時だって、俺に合わせようとしてたんだろうけど、いつも目線が下にいってたんだから」
え??
「自分の好きなもの頼めばいいし、自分の好きな服を着ればいい。好きな通りに生きればいいんだからな」
目の前の彼の優しい笑顔。
我慢できなくなって、ついに涙が零れ落ちた。
1滴零れ落ちると止まらなくなって、止めようとしても止まらなくなった。
「う〜……」
こんなつもりじゃないのに。
止まれ。
止まれ……。彼に迷惑かけちゃう。
「いいから……もう我慢しなくていいから」
彼は穏やかな言葉を耳元で囁いた。
「ありがとう……」
ありがとう。
今はその言葉が一番嬉しい。
ずっと欲しかった言葉。
ジャラ……
遠くで凌の音が聞こえたような気がした。