学園恋愛ネット掲示板【キューピッド】〜女子校のススメ〜
「私、確かに昨日、元彼に会った。だけど、元に戻るってことにはならなかったんだよ」
「嘘つかなくていいから。戻ったんじゃないなら会わないって言わないだろ?」
「嘘じゃないよ……。ただ彼の前で泣いたらスッキリしたんだ。なんか全部吹っ切れた気がしたの」
「じゃあなんで、俺と会わないなんていうんだよ」
「凌と会わないって言ったのは、前に進みたかったから」
「意味わかんねー」
凌は呟くと黒い髪をクシャっと掴んだ。
地下鉄の電車を待つ間、自分の姿が映る鏡の前で凌は自嘲気味に笑った。
「変な髪……」
そういうと凌は視線を外した。
私の知ってる凌じゃない気がした。
私の知ってる凌はいつも全快の笑顔で、明るくて、目がキラキラしてた。
だけど、今日は……笑わなくて、静かで……。
「……金髪は、俺のお気に入りっていったじゃん?」
凌は遠くを見て投げかけた。
「遠くにいても目立つから金髪にしてるってさ」
静かに凌の声が響く。
「本当は、前の彼女に言われたんだよね。『凌がその髪だと、私探しやすい』ってさ」
声が震えてる。
「別れてからも髪を直さなかったのはあいつに見つけてほしかったから。
いつかどこかで、この髪を見つけたらあいつからきてくれる気がして髪、直せなかったんだ」
あぁ、そっか。
凌も別れた彼女を引きずってたんだ。
だから私の気持ちも分かってくれたんだ。