学園恋愛ネット掲示板【キューピッド】〜女子校のススメ〜
「……なに?」
いつもとは違う冷たい声。
「髪、黒くしたんだ」
女の子の手が黒い髪に伸びようとした。
けどその手から逃げるように凌は女の子と距離をとった。
「ごめん。触んないで。それからもう話しかけないで。うざい」
「はっ?!」
「じゃあ」
凌はそのまま手をひいて場所を移動させ、ちょうどやってきた電車に乗り込んだ。
私はいまだにさっきの出来事が信じられないでいた。
「ははっ!最初っからこうすればよかった!!」
凌は子供みたいに笑ってる。
あ〜、この笑顔、なんか落ち着く。
「いっつも俺たちのデート邪魔してさ!!でも、傷つけちゃダメだし言いたくなかったけど、言ってみると案外スッキリするもんだね」
凌も嫌だったの?
私、何にも気付かなくて、1人で怒ってたんだ。
バカだなぁ。凌の何見てたんだろ。
ずっと直さなかった髪の色を変えてまでも私に合わせてくれようとした凌。
それって、結構勇気がいることだったんでしょ?
私のために頑張ってくれたんでしょ?
「凌?……私も好きだよ」
「へ?」