学園恋愛ネット掲示板【キューピッド】〜女子校のススメ〜
あいた左手
今でもはっきり覚えてる。
好きだと言った後の凌の間抜け面。
口をポカーンとあけて、目を大きく見開いて……それはそれは間抜け面。
「莉緒!!」
彼が手を振り走ってくる。
ジャラ……
右手に付けたアクセサリーが今日も音を鳴らす。
右に1つ。
左に2つついたピアス。
相変わらず派手なシャツ。
ダボダボのジーンズ。
くたびれた靴。
それから、茶色の髪。
キラキラ太陽みたいな笑顔。
白い歯。
「待った??」
「ううん」
「これ、見て!!」
凌の白い携帯。
私たちのプリクラだけが貼ってある。
「早く!!」
凌に急かされて、画面を覗き込むとそこには作成中のメールが。
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from:凌
subject:おなかすいた
main:ご飯、たべに……
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「何これ?」
凌に訊ねると、凌はニコニコ笑って答える。
「莉緒に送ろうと思ってたんだけど途中になった」
「そうなんだ」
「今から送るね♪」
「いらないから!!」
いつかのような会話。
「送信♪」
えいっと空に向けて携帯を振る凌。
「も〜……」
カバンの中で携帯が震えだす。
仕方ないから携帯を探してると女の人の声がした。