その手に触れたくて
7
――…運命って、残酷すぎる。
こうなる運命って残酷すぎる。
最後にはこうなるって分かっていながらも、隼人に好意を寄せる自分に惨めさをも感じる。
忘れたいのに忘れらんない。
触れたいのに触れられられない。
好きなのに好きって言えない。
もしくは―――…
言っちゃダメなんだ。
憂鬱な気持ちのまま夏休みに突入して、もう半分も過ぎた。
特に休み中、何かあった訳でもない。
何もない日を1日1日ダラダラと過ごしてただけだった。
でも、
「颯ちゃんちに行こうよ」
その夏美の一言で、また新たに何かが訪れようとしていた――…