その手に触れたくて

「…あたしも…隼人が好き」


今までずっと心に潜めてた想いを心の底から告げる。

ドキドキするって言うか、生まれて初めて人に想いを告げると言う事に恥ずかしさが込み上げてくる。

隼人は掴んでいたあたしの腕を離し、そのままあたしの腰に腕を回し引き寄せた。


一瞬の出来事に、あたしの身体がフワッと揺れ、隼人の身体に密着する。

そのまま顔を隼人の胸に埋めると、隼人は左手であたしの後頭部を押さえた。


隼人の温もりがこんなに温かいとは思わなかった。こんなに愛しいとは思わなかった。

隼人はあたしの身体を少し離し、そのままあたしに顔を近づける。



「…美月が好き」


そう言って、隼人はあたしの唇に自分の唇を重ね合わした。


…あたしも隼人が好き。


でもお互いの唇を重ね合わせながら、あたしは思ってた。


隼人は本当にあたしの事が好きなんだろうか…

本当に彼女と別れたんだろうか…


本当に…あたしの事が好き?


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