その手に触れたくて

差しだされたお皿を受け取りテーブルの上に置く。

お皿に綺麗に並べてあるサンドイッチを手に取ると、中から色鮮やかな食材が顔を覗かせていた。


そのサンドイッチをあたしは口に含む。


「ママが作ったやつは美味しいね」

「そう?」

「うん。美味しいよ」


小さい時からあたしはママが作ったサンドイッチは大好きだった。

小さい時はよく家族4人揃って食べていたな…



食べ終わった後、自分の部屋に行き、暫く布団の中でゴロゴロしていると時計の針が8時を過ぎているのに気づいた。


隼人、起きたのかな…

いや…もしかして寝るの遅かったからまだ寝てるかもしれない…


不安になったあたしは携帯を取り、昨日掛けたリダイアルから隼人に電話をした。


「はい」


自棄に早くコールが切れたかと思うと、普通通りの低い隼人の声が通話口から聞こえた。


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