その手に触れたくて
「隼人?おはよ」
「おーおはよ」
「起きてたんだね」
「当たり前。遅刻したらその分、美月に会うの遅くなっからな。美月、どした?」
そう言ってくる隼人に嬉しさを感じる。
「寝てるかもって思って電話した」
「あぁ…そっか。ってかもっと寝とけよ。あの後、寝れたか?」
「うん。寝れたよ」
「なら良かった」
「隼人、頑張ってね」
「あぁ」
電話を切った後、まだまだ時間はあるのに嬉しさのあまりあたしは化粧をして服のコ―ディネートをしていた。
そう言えば隼人ってどんな洋服を好むんだろう。
クローゼットの中からあらゆる服を取り出し、眺める事、数時間。
結局、決まったのがデニムのショーパンと淡いピンクのキャミだった。
まだまだ時間があり、滅多と巻かない髪もコテで緩く巻いた。
まだ10時過ぎで、隼人からの連絡なんて無いはずなのに、何故か携帯を意識してしまう自分がいる。
2ツ折りの携帯を開いては閉じ、開いては閉じを繰り返していると、手に取った携帯がリズミカルに音を奏でだした。