その手に触れたくて
「えぇっ!?マジかよ」
「あぁ」
直司はあまりにも突然の事に目を見開き、驚いた顔をする。
そんな直司と裏腹に隼人は平然な顔をしてタバコの煙を吐いていた。
「おい、夏美知ってたか?この2人…」
何故か直司は興味津々になり夏美に問い掛ける。
「さっき知った」
振り返った夏美は微笑みながら言う。
「えっ!!マジで!?」
そんな張り上がって聞こえてきた声の主は、敦っちゃんだった。
目の前に居る直司と敦っちゃんは、相当に驚いているみたいで、この状況からあたしはどうしたらいいんだろうと思った。
確かにビックリするとは思う。隼人と付き合えた事でさえ、あたしもビックリしてるんだから…
隼人は目の前に居る2人なんて、どうでもいいって感じで灰皿にタバコの灰を落とし、あたしが持っていたカフェオレを奪い取り口に含んだ。
あたしはあたしでメロンパンを頬張る。
皆に知られるってのが、こんなに恥ずかしいなんて思いもしなかった。
これって、あたしだけなんだろうか…
もちろん嬉しいけど、やっぱし恥ずかしい気持ちになる。
その後、特に何をするって訳でもなく、ただ雑誌を見ながら隼人と他愛もない会話をし優雅な一時を過ごし残りの夏休み中は幸せな日々を毎日送り続けてた…
でも――…