その手に触れたくて
「いや…、いいよ。」
あたしは軽く否定をし、手を少し振る。
「大丈夫。敦也、飲み物だけは大量購入だから」
そう言って直司は敦也って人の後ろから3つの紙パックを出してきた。
なんで3つも…。それに飲んだ紙パックも何個かある。
「おーい、敦也?どれか一つ美月ちゃんにあげるぞ?」
「あぁ」
「美月ちゃんどれがいい?」
本当にいいのかなって思いながら夏美を見ると、夏美はニコッと微笑んだ。
「ほら、貰っときなよ。美月はカフェオレでしょ。今日は何かとついてるよね…、メロンパンは貰えるし、敦っちゃんにまで貰えるし」
そう言って夏美はあたしにカフェオレを渡した。
「あの…、ありがとう」
敦っちゃんって人にお礼を言うと「いいよ」って言って優しく笑ってくれた。
「美月、早く食べないと始まっちゃうよ?」
「あ、うん。」
夏美の言葉にあたしは頷き、さっそくメロンパンの袋を開けて噛り付いた。