その手に触れたくて
「隼人、本当にいいよ?」
「吸いたくねぇ気分だからいい」
そう言った隼人は一度立ち上がり、ベッドへと向かう。そして隼人は倒れ込む様にベッドに倒れ込んだ。
隼人は布団を顔の近くまで引っ張ると、
「美月おいで」
そう言って布団を少しだけ剥ぎとり、空間をつくった。
右側を下にして寝ころんでいる隼人は左手で布団を少し上げ、右手でベッドをポンポンと叩く。
その隼人の合図にあたしは従い隼人の作ってくれた空間に身体を潜めた。
そのまま隼人は左腕であたしを強く抱きしめ、右手であたしの後頭部を優しく撫ぜていく。
「…ごめんな」
隼人の口から小さく呟かれたのは何度目になるんだろうってくらいの謝罪の言葉。
その隼人の謝罪の言葉に、何だか胸が苦しくなりそうだった。
そんなにあたしは隼人を苦しめてるんだって思うと申し訳なくなった。
「大丈夫だよ?隼人と一緒に居れるだけで幸せだから」
そう言って、あたしは隼人の胸に顔を沈めた。