その手に触れたくて
Γ…ってか、アイツの存在を出すなよ」
Γだって…」
Γまさか美月…、自分の所為だと思ってんじゃねぇだろな」
Γ……」
言葉を失うあたしに隼人は深いため息を吐き出して短くなったタバコを地面に落として踏み潰した。
そして隼人はあたしの俯く頭を何回か撫で、
Γ何でもかんでも自分の所為にするな。美月は何も悪くねぇ…悪くねぇよ。…悪いのは俺。美月を大切に出来てねぇ俺が悪い。…マジごめん」
そう言って、隼人はあたしの頭に乗せていた手をスッと下に落とした。
悲しそうな瞳をする隼人は前屈みになって頭を抱える。
そんな辛そうな隼人を見たあたしは、
Γ違うよ?あたし隼人と居て幸せだよ?隼人は悪くないよ」
そう言って隼人の腕に触れた。
Γなら、いいけど。…でもこれだけは分かってくれ。美月の所為で変えたとかじゃねぇから。マジで」
そう言った隼人はあたしの手を握りしめながら頭を上げた。そして隼人はポンとあたしの頭を叩くと柔らかい笑みを見せた。