その手に触れたくて
Γ…うん」
Γつか、もうこの話は終わり。俺も、美月にとっても気分悪りぃし」
隼人は話を切り上げた後、あたしの手を掴んで立ち上がり引っ張った。
隼人が引っ張った所為で必然的に立ち上がるあたしは、そのまま隼人に連れられて足を進めて行く。
隼人の思うがままに着いて行くと、そこは下駄箱だった。
Γえ?隼人?」
訳が分からないまま隼人を見上げると、
Γ履き替えろよ」
そう言って隼人とは自分の下駄箱へと向かう。
Γえ、何で?何処行くの?」
反対側の下駄箱に向かった隼人に、あたしは声を投げ掛ける。
Γ帰る」
素っ気なく平然として返ってきた隼人の言葉に、思わず焦ってしまった。
Γえっ、ちょ、か、帰るって…何で?ってか鞄、教室だよ?」
Γ知ってる。そんなもん必要ねぇだろ」
Γいや…でも…」
Γあ?何?もしかして携帯、鞄の中とか?」
Γえ、いや…携帯はここだけど」
そう呟きながらあたしは自分のスカートのポケットをポンポンと軽く叩いた。