その手に触れたくて
何もする事なく隼人のベッドでお互い身体をくっ付けながら、あたしは隼人の胸に顔を埋める。
たったこれだけであたしは幸せなんだ。隼人と触れ合ってるだけで。
暫くの間、会話が全くないままあたしは隼人に身を寄せていると隼人はポツンと呟いた。
Γ美月…俺と別れんなよ」
不意に聞こえた隼人の小さな淋しそうな声に、あたしは思わず顔を上げた。
上げた瞬間、隼人はすぐにあたしの頭を抱えて優しく撫でる。
Γ…え、どうしたの急に…」
隼人の胸に顔を埋めながら恐る恐る呟くあたしに、
Γ俺から離れんなよ」
有りもしない言葉を隼人は呟いた。
Γなんか…今日の隼人、変…。あたしが隼人から離れる訳ないじゃん。ってか離れたくないし」
Γうん。俺も…」
Γだったら言わないでよ」
隼人の胸に埋めている顔を少しだけ上げてあたしは頬を膨らます。
そんなあたしの顔を見た隼人はフッと笑みを漏らし、
Γ一応、確認」
そう言って隼人はあたしの頭をクシャっと撫でた。