その手に触れたくて
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暫く走って着いた場所はここら辺では有名な大っきな総合病院だった。
車を止めたお兄ちゃんは運転席から降りて来て、あたしが座っている方の後部座席のドアを開ける。
顎で“降りろ”と合図したお兄ちゃんに従ってあたしは車から身体を出した。
お兄ちゃんはグッタリしている隼人を引っ張って車から降ろすと、助手席から降りてきた悠真さんと抱えながら緊急出入口の方へと歩いて行く。
その後をあたしと凛さんは後を追った。
Γもう大丈夫だよ。病院来たから安心してればいいよ」
隣に居る凛さんはあたしの手をそっと握って優しく声を掛け、啜り泣くあたしはコクンと頷いた。
Γどうされましたか?!」
慌ただしく前方から聞こえて来るのは看護師さんの声で、バタバタとしながら何人かの看護師さん達が姿を現した。
“詳しく状況を…”だとか“何でこうなった…”のとか色々、言葉が飛び交う中、さっきまでの出来事を思い出した途端、一瞬あたしの頭がフラッとした。
Γちょ、美月ちゃん大丈夫?」
凛さんはあたしの身体を支えながら声を上げる。
Γ…大丈夫です」
Γちょっと座んなよ」
そう言った凛さんはあたしの身体を支えながら近くにあったソファーへと座らせた。