その手に触れたくて
考えれば考えるほど頭が痛く何かがのしかかる。
夏美と相沢さんと話した後、あたしは一人で来た道を戻った。
何処かに行く?って夏美に誘われたけど、そんな気分になれるはずもなく、あたしはトボトボと家までの道のりを歩いた。
隼人に会いに行こうとも思った。だけどそんな雰囲気にもなれるはずがなかった。と、言うよりも隼人の口から何かを言われるのが怖かった。
昨日、隼人に会いに行ったお兄ちゃん。また隼人の所に言って何か言ってるんじゃないかと思うと、またイライラが込み上げてきた。
そのイライラを自分の中に納める事が出来ず、あたしはまたお兄ちゃんにぶつけてた。
帰ってからはただベッドに横たわって何もしない時間が刻々と過ぎてた。
ママに夜ご飯と言われてもあたしは何もたべなかった。ベッドに横たわるだけで目を閉じても全然寝れなくて気付けば夜中の2時を過ぎてた。
暫く時間が経った後、1階から物音が微かに聞こえ、あたしは急いで起き上がりリビングに掛け降りた。
リビングの扉を勢い良く開けると、そこには思ってた通りお兄ちゃんが居た。お兄ちゃんは勢い良く開けた扉に視線を向け、あたしと分かったばかりに見知らぬ顔をし、席に着く。
その態度にまたイラッときた。