その手に触れたくて
隼人の傍に居たいがだけにあたしは眠る隼人をずっと見てた。
もし隼人が居なかったら、あたしはどうしてたんだろう。
もし隼人と付き合ってなかったら、あたしは今頃どうしてるんだろう。
“もしも”なんて言葉、考えたくないけど、つい不安から隼人の居ない日常を考えてしまう。
隼人とずっと一緒に居たい。そう思うのは付き合ってると当たり前の事なんだろうか。
ただ、あたしは欲が強いだけなんだろうか…
隼人はあたしの方に寝返りを打った為、額に乗せていた右腕がスッと下に落ちる。
その落ちてきた手をあたしはそっと握り締め、ベッドに顔を付けいつの間にかあたしも目を閉じていた。