その手に触れたくて
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中に入ると、いろんな人達の笑い声が響く中、店内はモヤッとした肉を焼く白い煙で充満していた。
テーブルが何台かあり、仕切り場になっている座席の一番奥に、隼人達が座っていて、あっちゃんがメニューを見ていた。
夏美は靴を脱ぎ一番奥に座っているあっちゃんの隣に腰を下ろし、その夏美の隣にあたしも腰を下ろす。
「うわぁー皆凄い久し振りだね」
座った途端、ここの店員である50代ぐらいの女の人がテーブルに水を置きながら話しかけてきた。
その声に気づいた夏美は瞬時に笑みを浮かべ口を開く。
「あっ、おばちゃん。久し振りだね!」
「ホント久し振りだね。夏美ちゃんは一年以上ぐらい来てないんじゃない?」
「えっ、もうそんなに経つかな?」
「それぐらいだと思うよ。隼人くん達だって半年は来てないからね」
懐かしく話していく会話にあたしはただキョトンとしてしまった。