その手に触れたくて

いつから?

お兄ちゃんはいつから知ってた?


混乱する頭とソワソワする胸。


じゃあ、お兄ちゃんは今のあたしと隼人の関係を知ってるんだろうか?


何でこんな事を考えなくちゃいけない訳?

何でお兄ちゃんの事まで考えないといけない訳?


あたしと隼人の事なのに…


でも、それがどうにも出来ないから誰かに縋りついてんのに…


「多分、響さん相当怒ってるよね…」


力なくそう言った夏美の言葉にやるせないため息が零れ落ちる。

元はと言えば隼人じゃん!!


何でそんな所にいるの?

何でそんな事してんの?


思い浮かぶ事はいっぱいある。だけどそれとは別に自分の情けなさを感じた。


あたしが忘れちゃえばいい事なのに…

ほんとにしつこい自分の性格に呆れる。


あたし、こんなんだったっけ?





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