その手に触れたくて

案の定、コンビニの前を通り過ぎると夏美が言ってたようにコンビニの前で数人の男が屯っていた。

暗くてはっきし見えなかったけど、制服を着た人達もいた。


暫くの間、あたしと直司に沈黙が続く中、ちょっと気になる言が頭に浮かび、あたしは口を開いた。


「あのさ…」

「ん?」

「いつもさ学校で見かけないけど何してんの?」


そう言うあたしに直司は、「あー…」と声を漏らし、うっすら笑って「寝てる」と答える。


「えっ、寝てんの?」

「あぁ。俺、朝苦手だから」

「あー…夜行性ってやつ?」

「そうそう」


そう言って直司はまたまた笑う。


「なんか以外にビックリした」

「何が?」

「見かけ怖いから一匹狼だと思ってた」

「えっ、俺が?」


少し声を上げる直司に「うん」と答え、そんなあたしに直司はハハッと笑った。


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