その手に触れたくて

「アイツさ、結構派手で見かけも浮いてっから今までダチが居なかったんだよな。中学ん時から、学校嫌だ嫌だって言いまくってて俺らの所まで来るとずっと愚痴ってた。でもそれが高校入ってから全然、俺らの前に現れねぇから不思議に思ってたら、友達居るからもう来ないっていいやがった」


直司は呆れた様にハハッと笑う。


「そーなんだ…」

「うん、でも美月ちゃんが居るから安心した。学校でも多少話してたけど、こんなにアイツと話したの久し振りだし…」

「そっか…」

「夏美と颯太とは幼馴染で、中学入ってからもいつも一緒に居たし、隼人とは同じクラスだったから仲良くなって、颯太のツレである敦也とも仲良くなって、二人が卒業してからは、ずっと俺と隼人の所に夏美は居たから」


そう言われて何かがあたしの頭の中を混乱させた。

えっ、今、2人が卒業した時からって…

話が分かんない。


「えっ、ちょっと待って!」


つい声を張り上げるあたしに「ん?」と言って直司は少し後ろを向く。


「えっ?夏美が言ってる、颯ちゃんとあっちゃんって言うのは…」

「あぁ。美月ちゃん知らないんだっけ?アイツらは俺らの1個上だよ」

「ええっっ!!」


あまりの驚きに、つい声を張り上げてしまったあたしに直司はハハッと声に出して笑う。


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