廃陸の旅団
「スティーレス海穴ってもしかして……海竜が眠るっていうあの?」
「うん。リヴァイアサンが体内に取り込んでるらしいよ。」
リヴァイアサンとは海を守る巨大な竜で、勇敢な戦士が幾人も挑んだが無事に帰ってきた者は一人もいないとされている怪物である。
「まぁ、リヴァイアサンはただの逸話かもしれないから、あれとして。まずはどうやって海底都市にいくかだな。」
「何言ってるのカムイ?海底都市への潜水艇は核下大地からでてるのよ。知らなかったの?」
リリーに少し哀れんだ目で見られてカムイはまじでへこんだ。
「じゃ、まずは潜水艇の出てる『サルマン私郷』にいこうよ。……まぁカムイは知らなかったみたいだけど。」
「そうだね。でも、ここから遠いよね?……あ、カムイは知らなかったんだよね。」
わざとらしい二人の仕打ちにカムイが歯を食い縛って耐えていると後ろから馬車の音がした。
「乗ってくかい?」
馬車から声がしたので声の方を見るとそこには。
「ソーマさん!!」
ソーマが気をきかして馬車を用意してくれていたのだ。
ソーマの馬車は三人を乗せてガタガタと砂利道を走りだした。