廃陸の旅団
三人の辿り着いたそこはアンダーバーグとは一変してマルテリウム技術によって栄えているようだった。

ただ少しだけ古目の技術で、近代の都といったところだろうか。

「この町はね、その名の通りサルマンって言う大資産家が作ったの。何でも難民達を集めて、町の自治をする代わりとして寝床と食事を配っていたみたい。」

「ていの良い独裁国家じゃねぇか。」

カムイがそう言うのも無理はなかった。

なにせ民家には必ず武器があり。

いつでも出兵できる準備が整っているのだから。

「ま、そう思うだろうけどね。でも今はそんな制度は残っていないし……まぁ名残りは多少残っちゃってるけどね。でも、例え独裁国家だろうと当時の難民達にはそれこそヴァルハラの様に感じたことでしょうね。」

人間やはり寝床と食事が一番大事で、それを確保する為に頑張るのだろう。

だから例え頑張ることが望まない軍事だろうと難民達たは寄り集まってこの私国を作り上げたのだろう。

「なんかマールって変に大人びてるよな。ちっちぇくせに。……あだぁぁっ!!」

言わなくても良い余計な一言のせいでカムイはマールに思いっきり足を踏ん付けられた。

それを笑顔で見てるリリーも楽しんでいるのかもしれない。
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