廃陸の旅団
船内は一見して列車のような造りをしていた。

潜水艦の様な縦長の船なので、座席は三列ずつ通路を挟んだ両脇にきちっと並んでいる。

指定された席などないので、早いもの順で好きな座席を確保していく。

「思ってたよりも観光客多いんだなぁ……」

「ほんとね。私達の席取れるかしら。」

3人は順番待ちをしながら席を探して、どんどん奥へと入っていく。





観光客達の乗船も終わり、船長が船と港とを繋いでいた梯子を取り外そうとした瞬間。

「ミャア。」

何か黒い物体がどこからか現れ、止める隙もないスピードで船に入っていってしまった。

「なんだぁ……?野良猫かなんかか?」

船長は特に気に留めることもなく、船を発進させた。
< 111 / 583 >

この作品をシェア

pagetop