廃陸の旅団
「それではカムイ君準備はいいかな?」
「いつでも、どうぞ。」
カムイは一瞬クラナドの方を見た。
クラナドは何故かその視線を避けるようにして俯いてしまった。
「それではスタートです。」
ニーガルの合図でB.T.が起動し、カムイの視界がクラナドの時同様に色鮮やかな光に包まれていく。
その光が徐々に弱くなり治まると目の前が雑木林の中になっていた。
辺りを注意深く見渡すとやはり目の前に黒い水溜まりが一つあった。
水面が揺れ、何かが沸きだすかのように水面が突起していく。
それは段々と形を成していきシャドーマンが現われた。
『ギギ…目標発見…フォース反応有リ…難易度ヲ…最大ニ変更致シマス。』
シャドーマンのフォースがクラナドの時とは比べものにならないほどに膨れ上がる。
しかしカムイには動揺など微塵もなかった。
シャドーマンがカムイ目がけ突進してくる。
「…………。」
しかしシャドーマンの攻撃は、まるで当たる気配もなくカムイに流されていく。
「こんなものか……」
退屈そうにそう呟くと、カムイの膝げりがシャドーマンの腹を見事にとらえ、吹き飛ばした。
地面に倒れこんだシャドーマンが微動だにしなくなった。
「………これで終わりかよ。つまんねぇ。」
カムイがゴーグルを外そうとすると、ニーガルによって止められた。
「カムイ君。シュミレーションはまだ終わっていませんよ。」
そう言ってニーガルは不敵に笑った。