廃陸の旅団

「ふむ……さっきの港での騒動がそうだったとは。しかも指名手配のクラナドまで……迂闊だったな。」

奥の席で話をしているとテッドが二人にコーヒーをついでくれた。

「人質と言っていたからにはすぐにマールという少女が殺されることはないと思うが。急ぐにこしたことはないか。」

「今すぐ行こう。クラナドの野郎一発ぶん殴ってやらないと気が済まない。」

めずらしく怒りを表に出しているカムイを見てニーガルは笑った。

「確かにね……目の前で事件が起きたのに指をくわえて見ていては"双剣"の名が廃る。行こう。アジトへは私が案内する。」

こうしてニーガルを仲間に加え無属民のアジトへとマールを救出することになった。




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