廃陸の旅団
白き閃光は結界を突き破り破壊した。
アニスはその光を躱す。
「純白と漆黒の剣士……なるほど貴様が"双剣"のニーガルか。」
「その通りだよ。白装束に強力な固有結界術……"封魔-フウマ-"のアニスはあんたのことだね。」
対峙した2人にだけ分かる直感のようなものがこう言っている。
『こいつは危険だ』と。
「どうだろう双剣よ。こちらはヒーラーの少女を奪還されてしまった。しかしクラナドは失うわけにいかぬ存在だ。ここはお互い身を退こうではないか?」
「なっ、ふざけんな!!」
カムイがアニスに向かって行こうとするのをニーガルが止める。
「やめておきなさいカムイ。今の君ではその男に勝てないよ。……いいだろう今日は引こうじゃないか。」
「懸命な判断だな双剣。足手纏いのガキ2人を守りながらでは、いくら貴様でも私には勝てないからな。ではさらばだB.A.S.E.諸君。」
アニスが白いマントをひるがえすと、クラナドもろとも一瞬で消え去った。
「……くっそ!!」
またしてもクラナドを救うことができなかったカムイ。
怒りを、虚しさを地面に叩きつけるだけしかできなかった。