廃陸の旅団
洞窟の中を歩くと、ところどころで上からポタポタと水滴が落ちてきた。

せして灰暗い地面には骨のようなものが無数に転がっている。

「何だかおかしくないですか?確か海竜は最奥から動かないはずなのに、入り口付近にこんな沢山の人骨が転がっているなんて……」

リリーが三人を呼び止めてそう言う。

「海竜から逃げた戦士がここいらで力尽きたんじゃないの?」

マールにそう言われると、もっともな答えだったのでリリーは胸騒ぎを忘れることにした。

「(……でも骨のところどころに何かに突き刺されたみたいな穴が空いてるんだよね。)」

転がる人骨の急所と言う急所には、鋭い槍のようなものが貫通した跡が残っていたのをリリーだけが気付いていた。

「それじゃ行こうか。」

「……うん。」

カムイを先頭にしてまた四人は奥をめざしていく。

すると進行方向に二つの光を見つけた。

「あの光なんだろう?壁の蝋燭じゃないよな?」

「ほんとだ。何か点滅してるね。」

その光に近づいていくと――

「ん?魚?」

そこにはチョウチンアンコウの様な生きものがいた。

水のない地面にもかかわらず悠々とヒレを動かしている。

四人が更に近づくとアンコウの皮膚がバリバリと破る

「なっ……魔物か!?皆気を付けたまえ。」

ウロコが剥がれ落ち、表皮がひび割れと共に砕け散ると、そこから人間の手足が生えてきた。

「そうかブルー・スフィアの自然孔気拡散が周囲の生物に悪影響を及ぼして魔物を生み出しているのか。」

「来るわ、みんな気を付けて!!」

半魚人は手から孔気刀のような槍を出して、一行に向かってきた。


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