廃陸の旅団

「くらえ『双牙斬』!!」

ニーガルの刄が上下から同時に半魚人に襲い掛かる。
『ガキィィン』

するとやはり鈍い音をたてて皮膚に弾かれてしまった。

「まったく、これだから魔物は嫌なんだ……」

ニーガルは半魚人から距離をとって詠唱を始めた。

「やつの動きを止めよ『ロックプリズン《砂礫の監獄》』」

半魚人の下から岩が盛り上がり、半魚人を包み込むようにして岩の監獄を作り出した。

ニーガルはまだ詠唱を続けている。

それに共鳴するかのように両の手に持つ、純白と漆黒の刄が煌めく。

「哀れな魔物よ消え去りなさい『放爆刃-ホウバクジン-』」

打ち出した剣は岩の監獄に突き刺さると、煌めきを増し、大爆破を起こす。

「おや?軍服が汚れてしまったな。」

ニーガルは僅かについていた肩のホコリを手で振り払う。

「さて、あっちは上手くやっているかな?」



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