廃陸の旅団
リヴイアサンの体内。

そこではまだ消化されていないカムイが暴れていた。

手当たり次第に孔気刀を振り回しリヴイアサンの体を内側から切り刻んでいたのだ。

「くそ、なんて肉の厚さと弾力だよ。」

カムイの行動は悪あがきと言うにふさわしかった。

皮膚だけをとっても人間一人を縦にしたくらいの厚さを持っている怪物である。

孔気刀の様な小さな物がいくら傷つけても意味がなかった。

「カムイ。やっぱり生きていたね。」

「ニーガルさん!?何のこのこと食われてるんですか!?」

ニーガルはカムイの付けた傷を見て深い確信を得た。

「カムイ。いまから一斉にあそこ目がけて技を使うよ。どうやらリヴイアサンは外は堅いが内側は弱いらしい。」

ニーガルはカムイが先ほど悪あがきによってつけた傷の中でも、一番深い穴を指して言う。

「なるほど……分かりました。」

それを瞬時に理解したカムイが孔気刀を構える。

ニーガルも自身の孔気刀を作り出し構えた。
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