廃陸の旅団
その様子を見ていた傍観者達から、歓喜を越えた驚愕の声があがる。
「まさか、あの歳で孔気操作を扱えるとは!!」
「考えられん。孔気を空間操作し物体を形成するのは高等技術だぞ。どんな天才といえど完璧にマスターするのは二十歳を過ぎると言うのに。」
周りの声など気にもせず、カムイは黄金の刄を構えた。
「さぁ、終わりにしようか。」
隼(はやぶさ)のような鋭く疾い斬撃。
複数のシャドーマンの攻撃を華麗にさばきながら、確実に一体ずつ倒していく。
そして――
「さて、最後の一体だな。まあまあ楽しかったよ。」
黄金の刄が瞬くと、目にも止まらぬ速さでカムイはシャドーマンを切り裂いた。
『シャドーマン戦闘不能を確認いたしました。シュミレーシュンを終了致します。』
アナウンスが流れると、またカムイの視界が色鮮やかな光に包まれる。
その光が止むとカムイは機関長室へ戻ってきていた。