廃陸の旅団
「ぐっ……くそっ。」

カムイは傷ついた身体をなんとか起き上がらせる。

「へぇ、烈風陣をまともに受けてまだ動けるのか。気に入った。まだまだ荒削りだがいずれは旅団を任せられる逸材かもしれない。」

男はゆっくりとカムイに近づいていく。

「弾け『インビジブル・バレット』」

どこからともなく見えない弾丸が男を襲う。

ひらりと身を反らし、男は難なくそれを躱した。

「おっと、危ない危ない。もう1人の軍人か……凄いなホセをもう倒したのか、やるねぇ。」

後から追ってきたニーガルを見据えると、にやりと笑う。

「カムイ!!何をしている逃げろ。」

ニーガルがそう叫ぶが、カムイはすでに動くことさえままならないほどの怪我を負っていた。


「ふーん。(この軍人……他のやつとレベルが違う。やりあうと面倒臭そうだ。)」

「カムイを返してもらう。(まずい……恐らく廃陸の旅団の現リーダーだろう。この男、本気を出さなければ一蹴される。)」

二人が睨み合い重い空気が流れる。

「君と戦うと逃げる余力が無くなりそうだ。ひとまずここは逃げさせてもら。『結鎖:氷狼陣』」

男の鎖が魔法陣を描き出しニーガルをその結界に閉じ込める。

「何だこの術は!?手足が凍る、息が出来ない。それに幻覚か?複数の狼が………ぐぁぁぁぁあっ!!」

氷の結界に閉じ込められたニーガル。

男はカムイを連れて天空艇に戻るとアンバー・タワーから去っていった。






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