廃陸の旅団
天空の咎人
皆の視線の先にはさっきの少年の姿が。
それは紛れもなくあのカムイだった。
「ま、軍については後々考えていけばいいよ。まずは天空艇の原動力となるグリーン・スフィアが必要だ。今回はオレとカムイそれからシルファ、君も来てくれるかい?」
シルファと呼ばれた小柄な老婆が頷く。
「一つ目は大陸にある霊山にいる怪鳥。二つ目は核下地区にいるとされる古代兵器ゴレーム。最後は海底都市の最南端にある海底火山にあるらしいぜジン。」
背の高いヒョロヒョロとした男が集めた資料に目を通しながらそう言う。
「恐らくこの三つで動力は足りるはずだ。他の皆は引き続き天空艇の修理にあたってくれ。そんじゃ解散。」
それぞれが自分の配置につき、ジンとカムイそれにシルファだけがそこに残った。
「で?まずどこから行くつもりなの?」
「近いとこからで良いだろう。なぁシルファ。」
ジンがそう言うとシルファが笑った。
「ジン様、何をおっしゃいますか。それでは私を連れていく意味がないではないですか。」
そう言うとシルファは詠唱をはじめる。
海竜の毒をマールが治した時と同じような言葉だった。
「さぁ、参りましょう。」
シルファの手の先に真っ暗な空間が現れる。
それは何だか異形なモノの中へと吸い込まれる様な不気味な雰囲気を放っていた。
「あ、カムイはこれ初めて見るのか。シルファはアーカー《知念師》なんだ。認定はされてないけどな。」