廃陸の旅団
徐々に土煙が晴れ、視界が回復していく。

ミノタウロスの視界に3人は映らない。

「あとかもなく消え去ったか……」


「んな簡単に死なせるなっての。」

崩れた岩の影から三人が出てきた。

シルファをかばっていたカムイの傷をシルファが癒す。

ジンは自分達に乗っかっていた岩盤をひょいと横にどけた。

3人の生存が判明したというのに、なぜだかミノタウロスはうれしそうだ。

「おもしろい人間達だ。アースクエイクが直撃する直前、鎖の結界の周りに強大な爆発を起こすことによって自らを守ったのか。」

「……ご名答。一発で見抜くとかどんだけだよお前。面白くなってきたな。」

ジンの表情を見てシルファがため息をついてカムイを見て言う。

「さぁ、行きましょう。ああなったジン様は止められません。」

「え、ってジンを置いていくのかよシルファ。」

ミノタウロスの強大な力を見せられた後。

普通ならばカムイの考えている通り、三人で一斉に戦うべきであった、が。

「カームイ。オレがワクワクしてんの分かんないのか?邪魔だから行け。」

「なっ!?」

ジンはミノタウロスとの一騎打ちを望んでいるようだ。

二人はジンを信じて先へと進んでいく。

< 166 / 583 >

この作品をシェア

pagetop